本当のじぶん
コロナ自粛期間中に一冊の本と出会いました。
『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』イルセ・サン著
Highly Sensitive Person略してHSP。ビビビと来ました。
言葉では説明しきれない何かとてつもなく自分にとって大切な物事との出会い。
昔からそういう直観に抗えないことが多い。
(そしてこの性格についても理由があったのです)
- いつも周囲の人に振り回されて、心身が疲れ果てる
- 責任感が強く、仕事や家事を抱えてしまう
- 相手に表情、におい、音などに過敏に反応してしまう
- 人が多く集まる場所だと落ち着かない
本の帯に書かれていたコピーです。これを読んでピンと来た方は一度読んでみることをおすすめします。
最初に申し上げますと、
この本を読んだからと言って自分の性格が変わるとかそういう劇的な変化は起こりません。
HSPは病気ではなくて気質です。
ですから治せるというものではありません。治す必要もありません。
そういう物事のとらえ方をする脳が備わっているということなのです。
治せないなら知っても仕方ないんじゃない?
本当にそう思われますか?
自分がHSPだということを知ってこれまでの人生に起きてきたことを
深く納得された方は多いのではないでしょうか。
これからお話することは、
本書を読んでHSP気質であると自覚したわたしの体験と対処法です。
医療行為とは全く関係のない、個人の健康法としてお読みくださいませ。
なにかのご参考になれば幸いです。
疲れてしようがないのはなぜ?
これまで大きな行事や仕事のあと寝込むことが多く、
身体が弱いからと周囲から言われ自分でもそう思い込んでいました。
疲れの原因は刺激を受けやすい気質のほうにあったのでした。
情報過多、刺激だらけの現代において刺激を受けないようにすることは本当に難しい。
自分の場合、ダメージの中でも大きいのが人疲れ。
相手の好き嫌い、はあまり関係ありません。
家族であっても長時間一緒にいると疲弊します。
一室ですごす家族旅行も実は苦手。
その理由は、共感力の高さゆえに相手のペースに合わせてしまいすぎるから。
また五感が敏感なため、悲しいこと、うれしいことという相反する感情でも
同じレベルで大きくゆさぶられ疲れてしまうのです。
旅行中はとくに非日常的な空間です。
刺激が多すぎて夜になるとぐったりということも。
では、共感しないようにすればいいんじゃない?と思われるかもしれません。
それができないのです。
そういう風に物事をとらえるよう脳がプログラミングされているんですね。
コンピュータと違ってアンインストールはできません。
HSP気質の人は呼吸をするように無意識に周囲の刺激を敏感に受け取ってしまう。
両親はわたしのことを身体が弱いから寝込むのだと思いこんでいましたから、
身体を鍛えるためにいろいろスポーツをすすめられました。
でもスポーツしてもまったく効果なし。
いくら鍛えても寝込んでしまうことは変わらず続きました。
むしろ運動部特有の元気はつらつな雰囲気に疲れ切ってしまう始末。
人疲れは人には相談しづらい。説明しにくい。
また子育て期は自分の都合で動くのがとても難しい時期でした。
子どもの学校等の行事のあとは文字通り廃人です。
体力がないからわたしはダメなんだ。
自分を責め続けると自己肯定感がもぎとられ、こうすればよかった、ああすればこうなった?
と自問自答と後悔から抜け出せない。
ですから、この本を読んで
自分と同じように感じている人たちが自分以外にもいるのだと知ったときの衝撃たるや。
どうしてこの著者は、親でさえ知らないわたしのことをこんなにも深く知っているの?
そうか、仲間がいたのか。
ずっと自分の存在をまるで宇宙人のように思っていたので、
まさに一筋の光が見えた…ような気がしたのですが、
しかしここで新たな問題が。
HSP気質という感受性を持つ人がいることはわかった。わたしもその一人で仲間もいるようだ。
しかし現実的にこの生きづらさとどう付き合ったらいいのでしょうか?
現代は様々な情報にピンポイントでアクセスすることができますね。
ネットでHSPを調べたら、たくさんの情報にたどりつくことができました。
そんなとき出会ったのがこちらの本です。
著者の武田友紀さんはHSP専門カウンセラーでご本人もHSPです。
HSPも千差万別。
音に敏感な人もいれば視覚が過敏という方もいます。味覚や触覚に反応してしまうひとも。
わたしは聴覚過敏のようで苦手な音が聞こえてくると動悸がします。
視覚も相当敏感なので、
何か作業するときは照明は暗めに、気が散るものは視界から外すようにしています。
本書を読むとHSP気質の方々の具体的な特徴がわかります。
試行錯誤しつつ自分の心地よい着地点を探すことが
遠いようで実は近道なのではないかと思います。
特にHSPの方は繊細なのですから、それぞれの違いにも敏感に感じ取れるはず。
これまで他人を優先しがちに生きてきた自分をとにかくほめてあげて、
これからは自分ファーストで行きましょう。
自分がHSPであると自覚する前は
みんなと同じようにできない自分にばかり目が行ってしまっていました。
自分はダメ人間なのだ、という思い込みから解放されたことは本当に大きなできごと。
これからは自己嫌悪する必要はないのです。
本書を読んで
これまで周りの状況に振り回されてきた自分をきちんと労わっていこう、
疲れやすい自分をきちんと癒そう!という気持ちが大きくなりました。
自分のケアができるのは自分しかいないのですから。
1に睡眠、2に睡眠、3,4がなくてとにかく寝る!
てっとりばやく疲労やストレスを解消するために、
わたしが選択したことは。
とにかく寝る。
眠れなくても横になって目を瞑る。これだけでもだいぶ変わります。
そんなこと皆やってる?
いえいえ、それに関してはちょっと説明させてください💦
睡眠は肉体だけではなく、心(実際は脳が働いています)の疲れも回復してくれる
神様からの贈り物です。
睡眠はストレスを半減してくれます。
HSP気質の人は色んなことを考えすぎて睡眠を無意識に削ってしまう傾向にあります。
睡眠を削ることで余計疲れは蓄積し、回復も遅れるという悪循環に陥いります。
寝たいときは寝ていいんです。
そんな当たり前のことをこれまで意識的に考え行動できていませんでした。
寝込むことに罪悪感を覚えすぎて、ぎりぎりまで避けるのもHSPあるあるかも。
もちろんHSPにも色々なタイプの方がいらっしゃるでしょう。
注意していただきたいのは、本当に不眠症の方。
HSP云々より、まず医療的な手段でケアする必要があるかもしれません。
あくまでHSPと自覚している方の日常のストレス管理のひとつとして、
睡眠は簡単でお金もかからない良い方法だと思います。
これから出会う人たちへ
最近、自分はHSP気質ですと発信される方も多くなってきました。
書店に行くと心理学のコーナーに関連書籍もたくさん出ています。
教育現場でも配慮すべきことのひとつになるのは時間の問題かもしれません。
先生が知っているか知っていないかで、HSP気質の子どもたちの学校生活が
まったく違うものになると思います。
余談
わたしは小学一年生のとき、声が小さいという理由で居残り練習をさせられました。
先生は熱心に大きな声を出す練習を続けてくれましたが、
結局声が大きくなるのもその場限り。
生徒の声が小さくて困るのは恐らく先生のほうです。
わたし自身はそれまで何も困っていませんでした。
今でもつい声小さいかな、と気を使ってしまうシーンがあります。
ちょっとトラウマです。
現実世界で「わたし、HSPです」という人にまだ逢ったことはありません。
そうじゃないかな?と感じる人はちらほらおられます。
ただむやみやたらにHSPだからと公表することに意味があるとも思いません。
わたしは近しい家族にはカミングアウトしていますが、
友人たちには心理学を学んでいる一名以外にはまだしておりません。
相手がどのくらい理解できるかわからないですし、
気を遣わせるのも嫌なのです。
自分がHSPであるとわかっていればとりあえずは良いのでは?と考えています。
SNS等でやたらと声高に公表している方を時々見かけますが、
HSPならそんなに目立つことは好きではないのでは?と
思うのですが、お仲間のかたどう思われますか?
外交的なHSPもおられるので一概に判断はできませんが、
人に気遣いしすぎて疲れ果てるのがHSP気質の根っこの部分ですから、
推してはかるべしといったところかな?
これからもHSPに関する気づきを発信していけたらと思っています。
そうだ、旅にでよう という記事ではHSPとして旅行の時に気をつけていることを書きました😊
本日もお付き合いくださりありがとうございました。
それではまたお会いしましょう!
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